地雷・不発弾とは

用語の解説

地雷処理と不発弾処理

英語の
  MINE ACTION
  MINE CLEARANCE
  DEMINING 
  三つすべてを日本語では『地雷処理』
  と訳しているため注意が必要です。

   MINE ACTION これは広い意味での
  『地雷処理』であって、この中に狭い意味での
  『地雷処理』MINE CLEARANCEと
  『不発弾処理』UXO CLEARANCE
  が含まれています。
  (UXO:UNEXPLOSIVE ORDNANCE:不発弾)

  DEMININGも地雷処理と訳されますが
  地雷処理の実際の行動を指します。

地雷処理と不発弾処理の組織

地雷処理と不発弾処理は、同一地域において同時に発生し、一つの組織が実施している場合が多いので大差のない活動に受け取られやすいですが、両処理活動は、処理活動の性質が危険であるという共通性はあっても具体的作業は全く違うものです。
 従って、当然、大きな処理組織の中には地雷処理を専門にする下部組織と不発弾処理を実施する下部組織が有ります。
地雷処理の実際の行動をDIMININNG:地雷処理活動と言い
地雷処理活動組織をDEMINING UNITと言います。
自己完結能力を保有した組織で中隊規模以上です。
地雷処理活動の最小単位は、小隊規模で約30名です。
その組織はDEMINING PLATOONと呼ばれます。
不発弾処理の実際の行動をEOD不発弾処理活動
(EOD:EXPLOSIVE ORDNANCE DISPOSAL)と言い
その組織不発弾処理活動組織をEOD TEAM と言います。
不発弾処理活動の最小単位は、このEODティームであって高度の専門的知識技能を有する3~5名からなります。

地雷処理活動

『地雷』は『対人地雷』、『対戦車地雷』及び『その他の地雷』に区分できます。
地雷危険地帯にはこれらの地雷が混在して存在しています。
その上、不発弾も混在しています。
これらに対する処理取扱要領は、様々です。

それは、対人地雷、対戦車地雷及び不発弾等の破裂の危険性、破裂強度、探知発見の困難性及び不完全性、更には危険地帯の戦術的特性、地形特に植生、機械力使用の可能性等によって処理取扱要領が変化するからです。

  一般的な地雷処理要領の一例について述べれば次の通りです。

  1. マーキング
    地雷の危険がある地域を画定し、縄を張ったり線を引くことをマーキングと言います。
    レベル1サーベイとも言います。
    現地における聞き取り、戦闘経過からの判断、現地の部分的抽出探知調査等によって行います。
    広い意味では地雷処理活動の一部ですが、この活動はマーキングティームを編成して実施されるため地雷処理の前工程です。
  2. 地雷処理
    地雷処理は、一般にはディマイニングティームを編成して実施されます。
    その実施要領は、状況によって色々です。
    地形……平坦地か傾斜地か…機械は入れるか
    地質……硬いか柔らかいか…特異な成分は
         …探知機器の性能に与える影響は
    地中物……石や鉄片や金属片の多寡     
    地表面植生……草なのか蔓なのか潅木なのか
             …鋏で切れるのか鋸で切れるのか
    予想される地雷、不発弾の種類…
          草、蔓、潅木除去時の危険性、
          関係技術資料の有無、安全化の可能性、
          破裂強度、
    使用可能な機械、装備品の数量、性能
    気象条件……活動隊員に与える影響
    後方支援環境……活動隊員の衣食住、機械、装備品の
                補給整備の可能性  
    運用可能な隊員数
    使用可能な資金
    使用可能な時間 
    地質……

不発弾処理活動

不発弾処理は、代表的な3K:キツイ、キタナイ、キケンと言うよりキケン、キケン、キケンの3K仕事です。キケン、キケン、キケンの仕事を安全に実施するためには高度な専門的知識が必要です。ちょうど「ネズミ捕り」に仕掛けられた、チーズをネズミが掠め取るような仕事です。ネズミ捕りの仕掛けについて完璧に理解した上でなければネズミはチーズを取りには行かないでしょう。器用で最新の仕掛けまで理解し、最近の失敗事例まで研究し尽くした賢いネズミは美味しいチーズを家に持って帰り、子供に与えることが出来ますが、不器用で頭も悪く、ただ元気で無謀なネズミは、命を落としてしまいます。
JMASは、目下、カンボディアにおいて小さな「日の丸」を掲げています。

不発弾の処理手順は、下記の番号順に実施されます。

(1)発見

(2)識別評価

(3)安全化

(4)回収

(5)爆破処分等
現地カンボジアにおける実際の「不発弾処理」の画像により説明します。

 

▲対戦車ロケット弾の尾翼の部分だけが見えています。

▲カンボディアの道路上で発見された砲弾。

注意喚起のために危険標識を立てることがあります。

▲住民が処置に困って、集めたものもあります。


▲弾種は?安全か?否か等、識別と評価を行います。


▲信管を離脱して安全化します。


▲爆破準備。穴を掘って不発弾を置き、爆薬をセットします。


▲爆破。「爆破成功!」
“Three”、”Two”、”One”、の秒読み後に、
「Fire」の点火号令で点火手が点火します。
(カンボディアでの不発弾処理の場合) 「点火用意~。 点火!」
の爆破号令で点火手が点火します。
(陸上自衛隊の場合)

 

地雷処理に関する国際法

地雷の使用については、今や国際法において使用者の義務が規定されており、埋設、敷設の記録を残すこと等が義務となっています。
 しかし、それ以前においては使用者責任は、道義的責任しかありませんでした。そのため、多くの場合、何ら記録らしきものさえ無く未爆地雷の処理も放置されてきました。
 使用者の道義的責任には、重いものが在る筈です。記録を残さない組織に対して地雷を補給した組織や国家にも道義的責任は在るでしょう。紛争の跡地に残されている地雷や不発弾は、現状からして悪者です。
 しかしながら、本来、地雷は弱者が防御のために使用する兵器であって、決して地雷そのものが悪者ではない筈です。これを悪者にしてしまったのは、道義的責任を果たさなかった組織や国家が居たからです。
 本来は地雷(刃物)が悪物ではない。
 悪者に使用された地雷(刃物)が悪物になった。

よく出てくる英語

MINE ACTION が広い意味での『地雷処理』
MINE CLEARANCE が狭い意味での『地雷処理』
DEMINING が更に狭い意味での『地雷処理』の実行動を指す。
UXO CLEARANCE が『不発弾処理』
EXPLOSIVE ORDNANCE DISPOSAL 略して
EOD これは『不発弾処理』の実行動を指す。
UNEXPLODED ORDNANCE 略して
UXO が『不発弾』
LANDMINES とかMINE が『地雷』
ANTI PERSON MINE が『対人地雷』
ANTI TANK MINE が『対戦車地雷』