地雷処理活動

『地雷』『対人地雷』『対戦車地雷』及び『その他の地雷』に区分できます。
地雷危険地帯にはこれらの地雷が混在して存在しています。
その上、不発弾も混在しています。これらに対する処理取扱要領は、様々です。

それは、対人地雷、対戦車地雷及び不発弾等の破裂の危険性、破裂強度、探知発見の困難性及び不完全性、更には危険地帯の戦術的特性、地形特に植生、機械力使用の可能性等によって処理取扱要領が変化するからです。

一般的な地雷処理要領の一例について述べれば次の通りです。

 

  1. マーキング

    地雷の危険がある地域を画定し、縄を張ったり線を引くことをマーキングと言います。
    レベル1サーベイとも言います。現地における聞き取り、戦闘経過からの判断、現地の部分的抽出探知調査等によって行います。広い意味では地雷処理活動の一部ですが、この活動はマーキングティームを編成して実施されるため地雷処理の前工程です。

  2. 地雷処理

    地雷処理は、一般にはディマイニングティームを編成して実施されます。
    その実施要領は、状況によって色々です。
    地形……平坦地か傾斜地か…機械は入れるか
    地質……硬いか柔らかいか…特異な成分は
        …探知機器の性能に与える影響は
    地中物……石や鉄片や金属片の多寡     
    地表面植生……草なのか蔓なのか潅木なのか
          …鋏で切れるのか鋸で切れるのか
    予想される地雷、不発弾の種類…
          草、蔓、潅木除去時の危険性、
          関係技術資料の有無、安全化の可能性、
          破裂強度、
    使用可能な機械、装備品の数量、性能
    気象条件……活動隊員に与える影響
    後方支援環境……活動隊員の衣食住、機械、装備品の補給整備の可能性  
    運用可能な隊員数
    使用可能な資金
    使用可能な時間 
    地質……etc

不発弾処理活動

不発弾処理は、代表的な3K:キツイ、キタナイ、キケンと言うよりキケン、キケン、キケンの3K仕事です。キケン、キケン、キケンの仕事を安全に実 施するためには高度な専門的知識が必要です。ちょうど「ネズミ捕り」に仕掛けられた、チーズをネズミが掠め取るような仕事です。ネズミ捕りの仕掛けについ て完璧に理解した上でなければネズミはチーズを取りには行かないでしょう。器用で最新の仕掛けまで理解し、最近の失敗事例まで研究し尽くした賢いネズミは 美味しいチーズを家に持って帰り、子供に与えることが出来ますが、不器用で頭も悪く、ただ元気で無謀なネズミは、命を落としてしまいます。
JMASは、目下、カンボディアにおいて小さな「日の丸」を掲げています。

不発弾の処理手順は、下記の番号順に実施されます。

(1)発見

(2)識別評価

(3)安全化

(4)回収

(5)爆破処分等

作業の流れを、現地カンボジアにおける実際の「不発弾処理」の画像により説明します。

発見

▲対戦車ロケット弾の尾翼の部分だけが見えています。

▲カンボディアの道路上で発見された砲弾。注意喚起のために危険標識を立てることがあります。

▲住民が処置に困って、集めたものもあります。

識別評価

▲弾種は?安全か?否か等、識別と評価を行います。
安全化

▲信管を離脱して安全化します。
爆破処分等

▲爆破準備。穴を掘って不発弾を置き、
爆薬をセットします。

▲爆破。「爆破成功!」

“Three”、”Two”、”One”、の秒読み後に、「Fire」の点火号令で点火手が点火します。
(カンボディアでの不発弾処理の場合)

「点火用意~。 点火!」の爆破号令で点火手が点火します。
(陸上自衛隊の場合)

2009&2010Land mine moniter(ICBL発表)からの抜粋
地域別被害者数(1999-2008)

地域と国数被害者がある国数被害者の数
アジア太平洋地域 (40) 21 33,627
アフリカ大陸 (48) 32 16,390
中東および北アフリカ (18) 17 8,558
南北アメリカ大陸 (35) 14 7,202
CIS諸国 (12) 12 4,628
ヨーロッパ大陸 (42) 23 3,171
合   計 119 73,576

 

被害者が 1,000 人以上の国(1999-2008)

国名1999 2008の合計国名1999 2008の合計
アフガニスタン 12,069 ミャンマー 2,325
カンボジア 7,300 ラオス 2,295
コロンビア 6,696 パキスタン 1,969
イラク 5,184 エチオピア 1,947
インド 2,931 スーダン 1,748
ロシア 2,795 コンゴ 1,696
アンゴラ 2,664 ベトナム 1,545
ソマリア 2,354 スリランカ 1,272

 

2008におけるmine/IED/ERWによる犠牲者のある国および地域

アフリカ地域アメリカ地域アジア太平洋地域ヨーロッパ地域CIS諸国中東および北アフリカ地域
Angola Colombia Afghanistan BiH Azerbaijan Algeria
Burundi El Salvador Bangladesh Croatia Belarus Egypt
Chad Nicaragua Cambodia Cyprus Georgia Iran
Cote d’Ivoire Peru China Greece Kyrgyzstan Iraq
DRC US India Montenegro Moldova Israel
Eritrea   Indonesia Poland Russia Jordan
Ethiopia   Korea, South Serbia Tajikistan Kuwait
Guinea-Bissau   Lao PDR Turkey Ukraine Lebanon
Kenya   Malaysia Kosovo Abkhazia Libya
Mali   Mongolia   Nagorno-Karabakh Morocco
Mozambique   Myanmar/Burma     Syria
Niger   Nepal     Yemen
Rwanda   Pakistan     Palestine
Senegal   Philippines     Western Sahara
Somalia   Sri Lanka      
Sudan   Thailand      
Uganda   Vietnam      
Zambia          
Zimbabwe          
Somaliland          
19 states,
1 area
5 states 17 states 8 states,
1 area
8 states,
2 areas
12 states,
2 areas

 

被害者統計

2008年、2009年における一般市民/軍人の犠牲者数


(左)2008年  (右)2009年

2008年、2009年における性別犠牲者数


(左)2008年  (右)2009年

2008年、2009年における年齢別犠牲者数


(左)2008年  (右)2009年

2008年、2009年における爆発物の種類別犠牲者数


2008年

2009年

2008年における年代と爆発物の種類別犠牲者数

2008年における地域別被害者数

2008年、2009年における影響大の国の地雷/不発弾被害者数

2007年-2009年における被害者数100名以上の国の被害者数傾向

2009年の被害者数2008年の被害者数2007年の被害者数
アフガニスタン 859 992 842
コロンビア 674 777 904
ミャンマー 262 721 438
パキスタン 421 341 271
カンボジア 244 269 352
イラク   263 216
チャド   131 188
ソマリア 128 116 74
ラオス 134 100 100
トルコ   100 101

地雷処理と不発弾処理

英語の

MINE ACTION

MINE CLEARANCE

DEMINING

三つすべてを日本語では『地雷処理』と訳しているため注意が必要です。

MINE ACTION

これは広い意味での『地雷処理』であって、この中に狭い意味での

『地雷処理』MINE CLEARANCEと

『不発弾処理』UXO CLEARANCEが含まれています。

(UXO:UNEXPLOSIVE ORDNANCE:不発弾)

DEMINING

DEMININGも地雷処理と訳されますが地雷処理の実際の行動を指します。

よく出てくる英語

MINE ACTION

広い意味での『地雷処理』

MINE CLEARANCE

狭い意味での『地雷処理』

DEMINING

更に狭い意味での『地雷処理』の実行動を指す。

UXO CLEARANCE

『不発弾処理』

EXPLOSIVE ORDNANCE DISPOSAL

略してEOD これは『不発弾処理』の実行動を指す。

UNEXPLODED ORDNANCE

略してUXO が『不発弾』

LANDMINES またはMINE

『地雷』

ANTI PERSON MINE

『対人地雷』

ANTI TANK MINE

『対戦車地雷』

地雷・不発弾処理アカデミア

Thumbnail 地雷探知犬の活動 カンボジアの地雷探知犬の歴史 2002.12.スウェーデン陸軍が、軍用犬を寄付しました。 これ等の犬は、スウェーデン語で教育訓練を受けていたので、カンボジアの犬の調教師は、「スウェーデン語」を習って、犬を使っていました。 現在:40匹(勤務)体制であり、合計80匹の地雷探知犬がいる。 訓練所TC( Training...
Thumbnail   地雷除去小隊の展開処理   地雷除去活動   地雷活動の順序 1.マーキング(径始) 2.目視点検及びわな線除去 3.潅木除去及び雑草除去 4.地雷探知器、(地雷探知犬) 5.プロッダーによる地雷確認 6.地雷識別及び除去...
Thumbnail カンボジア王国は、何処にあるのでしょうか? 飛行機でタイ、ベトナム、シンガポールに行き そこで飛行機を乗り換えて、カンボジアの首 都プノンペンに行きます。 カンボジアの不発弾...
Thumbnail   不発弾処理 このお仕事3K職場の代表例 kiken 危険! kitanai 汚い! kitui きつい!   不発弾の定義 不発弾とは... 「人を殺傷し、物を破壊する」目的で製作された「弾薬類」が 本来の機能を発揮するべく、発射、投下、投擲、敷設等をしたものの、 未だその機能を発揮し得ないで、中断した状態の弾薬を「不発弾」と言います。 「不発弾」の中には、「不発爆弾」も含まれます。  ...

主要諸元・用語の解説

『地雷』『対人地雷』『対戦車地雷』及び『その他の地雷』に区分できます。
地雷危険地帯にはこれらの地雷が混在して存在しています。

地雷・不発弾写真

JMASが処理した不発弾地雷を種類ごとにまとめました。 帯の部分をクリックすると爆弾の写真が表示されます。写真をクリックするとスライドショーで確認できます。

弾薬及び地雷の機能、使用目的、使用要領

■弾薬の使用目的、機能、使用要領
使用目的等
人員等の殺傷兵器の主要なものが弾薬と地雷です。弾薬は火薬類、または化学剤を内蔵し、主として人員等の目標の破壊殺傷を目的としています(こ れの訓練目的とするものも包含される)。特に、弾薬のうち口径20mm以上の火器に使用される弾薬を砲弾(火砲弾薬と同意語)といいます。弾薬の形状は一 般に先端のとがった円柱形を成し、特に砲弾は内部に爆薬(炸薬)を装填、爆発後に弾体が炸裂し、破片で破壊、殺傷作用起こします。
地雷もまた形は異なるものの同じ機能を有します。
機 能
弾薬は小火器弾薬(銃弾)、てき弾、火砲弾薬(砲弾)、爆弾、ロケット弾等を含みます。また、それぞれの弾薬は、弾丸、信管、装薬、薬莢等から構成されます。
内蔵される火薬類の系列は、発射薬系列の装薬と、爆薬である炸薬系列とがあります。発射薬系列には、起爆薬となる爆発を誘起させるものがあります。砲弾 は、装薬により発射され、飛翔し、その後に点火薬である信管等により、弾体を爆発させるための炸薬に点火して爆発を誘起させます。
火薬系列は「少量の鋭敏な火薬類から比較的鈍感な火薬類に終わる火薬類の配列」であり、
一般に「発射薬系列」と「炸薬系列」の2種類がある。
1 発射薬系列
火器から発射させるための系列で「雷管」⇒「点火薬」⇒「発射薬」からなる。
2 炸薬系列
小さな最初のエネルギーを増大させ炸薬を爆轟させるエネルギーをつくる系列であり
「起爆筒」⇒「伝爆薬」⇒「炸薬」からなる
使用要領
弾薬は発射具(銃、火砲、ミサイル・ロケット等)を使用して目標に弾丸を飛ばし、相手等を殺傷するものです。発射された砲弾は、信管により炸薬が爆発し弾丸そのものが、破裂しますが、状況により爆発を行わない場合があり、これが「不発弾」となります。
■ 地雷の場合
使用目的等
地雷は人工障害の重要な分野を占めており、戦車・舟艇・航空機等の破壊、人員の殺傷、地域・装備品の使用拒否のために使用し、地表や地表面下、水中等に人力・機械・航空機・砲などにより設置・散布します。
機 能
地雷は通常、地雷本体及び信管から成り、信管に圧力等がかかり初動が働くと、信管の発火機構により信管がまず作動することにより、本体内の爆薬が順次、起爆して地雷が爆発、戦車等の破壊及び人員の殺傷を行います。
信管が作動する初動の種類はいろいろありますが、人、車輪、戦車等の踏圧、信管に取りつけてある「わな線」等の引っ張り力、あるいは信管が作動するのを阻 止している圧力の除去、引張り力の開放による圧力の除去、その他、電気回路の構成、振動、磁気的感応等による信管への作動の方法があります。
本体の地雷の爆薬は、起爆容易な敏感な爆薬から鈍感で威力の大きな爆薬へと連接しており、通常は起爆薬、伝爆薬、炸薬の火薬系列の順に爆発します。
使用要領
地雷は用途、使用対象、敷設方式、威力方式等に分類されますが、使用の要領は分類区分の使用の対象、敷設方式等によって異なります。分類区分の なかで例えば、使用対象別では、対戦車地雷、対人地雷、対舟艇地雷があり、敷設方式では設置地雷と散布地雷があります。設置地雷は人力または機械による設 置手段があり、散布地雷ではヘリコプター或いは砲等による散布または投射します。使用に際しては、その目的及び使用当時の状況を考慮して適当な種類の地雷 を適当な敷設方式等で使用します。ヘリコプターで散布する場合は、その効力は広範囲に及びます。

地雷不発弾の構造と危険性[MINE and UXO(STRUCTURE and DANGER)]

[MINE and UXO(STRUCTURE and DANGER)]

世界の地雷等埋設状況

世界の地雷分布図
地図をクリックすると拡大表示されます。

国際法から見た地雷規制

  1. セント・ピータースブルグ宣言
    1868年 人道の要求上、戦争において無意味な犠牲者を出す武器の使用禁止
    締約国間の戦争にのみ効力を有する。
    参照サイトhttp://www.geocities.co.jp/Milkyway-Lynx/5485/sentopitasuburugu.htm
  2. ジュネーブ条約追加議定書
    1977年 ・過度の傷害又は無用の苦痛を与える兵器等の使用禁止(第35条2)
    参照サイトhttp://www.mofa.go.jp/MOFAJ/gaiko/k_jindo/naiyo.html
  3. CCW条約(特定通常兵器の使用禁止・制限条約)
    1980年 地雷議定書
    • 軍事目的のみ使用、無差別的使用禁止
    • 計画、敷設時の記録
    • 散布地雷の使用禁止または自己不活性化装置の付置
    • 紛争後の地雷撤去責任

    参照サイトhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/arms/ccw/ccw.html

Ⅱ CCW条約の問題点

  1. 議定書を批准した国が少数
    • 批准国49ケ国
    • 署名したが批准しない国16ケ国
  2. 対象 国際紛争
    内戦 対象外
  3. 遵守状況の検証規定なし
  4. 地雷撤去の責任元の不明確

Ⅲ オタワ条約

  1. オスロ会議 条約の起草(1997)
  2. オタワ条約(1997.12.3)
    「対人地雷使用、貯蔵、生産、及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約」
    130ケ国署名  当時小渕外相   (2009年3月現在156カ国)
  3. オタワ条約発効(1999.3.1)
    批准国発効4年以内  備蓄地雷の廃棄
    10年以内  埋設地雷の廃棄
寄付・ご支援について

あなたのご支援で、各国の子供たちの自立を

寄付の申し込みはこちら
  • 動画を見る
  • sidebtn02
  • loginbtn
  • facebook
 

 

rogo2