2021年3月カンボジア活動報告

2021/4/22

2021年3月カンボジア活動報告

 カンボジアのコロナの累積感染者数は 750 名弱で大きな流行にはなっていませんが感染予防を徹底し 3 月 1 日から新たに「ストゥントレン州における不発弾(クラスター弾)機械処理を伴う復興支援事業(RSCS)」及び「バンテアイミアンチェイ州における地雷・不発弾処理を伴う復興支援事業(RSDB)」の 2 個事業を開始しました。また、コミュニティ総合開発プロジェクト「安全な村づくり(SVC)」「農地整備支援(FMS)事業」をバンテアイミアンチェイ州とバッタンバン州で継 続して実施中です。

1.ストゥントレン州における不発弾(クラスター弾)機械処理を伴う復興支援事業(RSCS)

 3月1日から新事業として開始されました。この地域は、ベトナム戦争時代のホーチミンルートの一部であり未だにクラスター子弾が多く住民の安全な生活や発展を妨げています。3月はJMASのカンボジアでのパートナーであるCMACの新しい部隊に基本教育を行い、クラスター子弾除去機及び灌木除去機で処理要領の実習を実施しました。また、セサン郡と農業支援の取り決めを行いました。試験農場を設立し農業の豊かなる発展を目指します。セサン郡で35.4haの汚染地域の処理を実施し、不発弾25発を除去しました。また、近傍の村等4か所において16名に対し危険回避教育を実施しました。


処理予定地

クラスター子弾

農業支援の取り決め交換

2.バンテアイミアンチェイ州における地雷・不発弾処理を伴う復興支援事業(RSDB)

 3月1日から新事業として開始されました。この地域は、ポルポトの最終地域であり未だに地雷・不発弾が多く住民の安全な生活や発展を妨げています。3月はJMASのカンボジアでのパートナーであるCMACの新しい部隊に基本教育を行い、地雷除去機及び灌木除去機で処理要領の実習を実施しました。また、試験圃を設立し農作物の栽培を地域住民と実施しつつ技術普及を図り農業の豊かなる発展を目指します。マライ郡で8.48haの汚染地域の処理を実施し、対人地雷14発、不発弾7発を除去しました。また、近傍の村1か所において3名に対し危険回避教育を実施しまし
た。


基本教育

地雷除去機による処理

試験圃予定地の測量

3.コミュニティ総合開発プロジェクト「安全な村づくり(SVC)」事業

 3月は、安全を第一に以下の作業を実施しました。
 また、3月16日にはSVCのCMAC要員は、全員中国製のコロナワクチンを接種し3日間(19日まで)作業を中止しました。

(1) 学校敷地造成作業
 スラロウチュラム小学校の建替え計画に先立ち、学校敷地造成(嵩上げ)整備作業を実施し概ね完成しました。また、側溝掘削及び校門周辺の村道の道路幅を拡げる作業の必要があり作業に着手しました。
(2) 既存溜池の拡張整備作業に着手
 計画した既存溜池の拡張整備は水抜き作業が計画以上に日数がかかったが拡張整備に着手することができました。
(3) 暗渠工事の完了
 2020年度の暗渠構築は、計画通り3箇所の整備を完了しました。
(4) 次年度事業計画(大綱)の作成
 2021年度SVC事業実施計画(大綱)作成に着手し、次年度事業について準備中です。

 この事業により10年以上も補修整備がされずに傷んだ道路・学校敷地が整備され、子供達が安全に通学できるようになるとともに住民の生活道路が改善され生活環境が向上します。

事業実施のスラロウチュラム村スラロウチュラム小学校周辺図(空撮)
学校の敷地嵩上げ及び整備作業
学校前の道路整備作業
既存溜池の拡張整備に着手

4.農地整備支援(FMS)事業

 本事業の1年間でドーザー等の機械力を使用し、EKプノムコニューン及びトラエンコミューンの水田、畑合計13.2haの農地整備(均平化(水平にする))等をしました。次年度もこの地域で農地整備を継続して行う予定です。
 来年度もこの事業により地雷原であった土地の水稲・キャッサバ・トウモロコシ等の栽培を支援し、収穫量を向上させ農家の収入の増加を図り、生活水準の向上に貢献していきます。

農地整備により水管理が確保され、稲も均一な成長となり結果として高品質(上位等級)米の増量・増収(高価販売)に繋がりました。