平成19年度事業完了報告
1.事業の実施期間: 平成19年12月9日 ~ 平成20年11月8日
2.事業の実施成果(要約):
(1)期待する成果とその達成度
ア)地雷・不発弾の処理
第2次事業期間中約14万平方メートルの地雷原の安全化を図る予定であったが、地雷処理機の支援受け及び地雷処理能力の向上により事業期間中約173,000万平方メートルの地雷原を安全化した。
イ)雇用の促進
社会復帰を目指すDDRプロセスを経た元兵士の雇用創出のため、33名の雇用を継続した。
ウ)安全管理技術移転及び組織運営能力の向上
計画的な技術移転により現地スタッフの地雷処理技術及び事務所運営能力が向
上した。また、安全管理を重視し、作業規律の徹底を図ったが、事業期間中に
1件の負傷事故が発生した。安全管理の徹底のため再訓練を実施し、事故の再発
防止を図った。なお、負傷者は、1週間の入院治療後、引き続き地雷処理に従事
している。
エ)国際社会への認知
アフガニスタン政府への報告、UNMACAの会議への参加、近隣部落民との交流及び地雷原返還式等を行い、日本の貢献を国際社会に認知させた。
(2)プロジェックトの自己評価
ア)計画の妥当性、効率性
処理面積の目標14万平方メートルに対し約17万平方メートルの地雷原を処理した。地雷原の状況により、処理の難易度は異なるが、目標を少し上回る処理ができており、計画の妥当性及び効率性が裏付けられた。
イ)有効性、インパクト
バグラム地区において事業期間中、地雷・不発弾により4名の住民が死亡した。本地雷原南東1キロメートルの難民部落の人口の急激な増加から、人身事故が増える可能性がある。今後、地雷処理及び啓蒙活動を強化して、「難民や避難民の帰還を促進し、安全な生活基盤の確立および地域経済活動を行える環境を作り出す」ことに寄与していきたい。
ウ)自立発展性
技術の移転については、ほぼ計画通り主要スタッフに習得させた。
(3)今後の方針
今後数年間はバグラム地区の地雷原で地雷処理を実施していきたい。
ただし、バグラム地区には治安上および優先度の必要性から、地方からたくさんのNGOが移動集中してきており、この地区の地雷原が計画よりも早く終了する可能性もある。2009年4月UNMACAは新しい地雷処理計画を制定する予定であり、その結果によっては地雷処理チームの編成変え及びバグラム地区以外の地域に移動せざるをえない場合もある。
3.日本NGO連携無償資金精算額: 93,409,996円
(契約額(供与限度額)より 3,686,805円の減)
4.会計報告