平成19年度「ラオス・シェンクワン県における不発弾処理事業」

2015/5/14

平成19年度事業完了報告

平成20年2月28日付日本NGO連携無償資金協力贈与契約に基づく「ラオス・シェンクワン県における不発弾処理事業(3次)」が、平成21年3月8日をもって完了いたしましたので、関係書類を添え、下記のとおり報告いたします。

1.事業の実施期間:平成20年3月9日~平成21年3月8日

2.事業の実施成果(要約)

 

(1)成果と達成度

UXO Laoと協同してシェンクワン県における不発弾処理事業を整斉・円滑に実施し、チームリーダー以上のUXO Lao隊員に対する技術移譲を着実に実施して概ね初期の目標を達成したものと思料する。しかし、チームリーダーの交代等もあり、単独で処理はできても部下隊員を指導できるレベルには達していないと判断されるチームリーダーが約三分の一であり、引き続き2009年度も技術移譲を実施して行く必要がある。2006年2月にJMASがシェンクワン県で事業開始して以降、幸いにも一件の重大事故も発生しておらず、専門家による現場指導が徹底している証左であると判断している。

JMASの不発弾処理専門家のもと、3年度は、13,280発の不発弾を処理し、約487.9haに及ぶ土地の安全化を図り、シェンクワン県の発展と住民生活の安全に貢献した。この間、現場におけるOJTの実施と集中教育により技術レベルの一層の向上を図った。併せてSEODの教育法の指導を行う等により隊員を指導できる能力を向上させた。

(2)プロジェクトの自己評価

   JMAS専門家の高い不発弾処理技術及び知識は、3年間の不発弾処理事業活動を通じ、UXO Laoはもとより他のラオス政府機関(NRA)及びUNDP等でも高く評価されるに至っている。特に、UXO Laoの知識が低いレベルに留まっている砲爆弾の識別及び処理要領不明な大型爆弾並びに化学弾の処理支援を通じて、現在では、JMASはラオスにおいて確固不動の信頼感を得るとともに、UXO Lao XKH以外のUXO Laoの隊員に至るまでJMASを認知するに至っていることは、ラオスにおける不発弾処理事業の有効性が一層顕著になって来ていることを表しているものと思料する。また、シェンクワン県以外の地域での支援をJMASに期待する声もあり、地域を拡大することは「目に見える支援」を更に拡大するために効果的であると判断する。また、不発弾処理及び啓蒙活動並びに日本・ラオス研究会等の機会を利用した講演会等の実施を通じ、日本・ラオスの友好関係促進に僅かでも貢献できたものと思料する。また、日本から訪れた大学教員及び学生、並びにマスメディアへの積極的な協力により、ラオスの不発弾汚染と処理の現状について情報提供できたものと思料する。

(3)今後の方針

   次年度は、2008年度に引き続きシェンクワン県での不発弾処理事業を着実に実施するとともに、目標を達成していない個々の隊員に対して技術移譲を実施し、確実なものとする。この際、技術移譲においてはUXO Lao隊員個々の能力の確実な向上を期するため、技術レベルの判定を更に細部にわたって行うとともに、今後実施すべき技術移譲の内容を確定する。また、シェンクワン県以外の地域での不発弾処理事業の支援要望に応えるため、引き続きその可能性について検討する。なお、啓蒙活動に関する支援ついては、これまで実施してきた規模を縮小し、今後の支援のあり方について、より効果的な支援の内容及び要領を検討する。

 

1.      日本NGO連携無償資金精算額

日本NGO連携無償資金契約額    838,833.00米ドル

為替差益                     3.91米ドル

銀行利息                  50.59米ドル

総収入額              838,8866.60米ドル

   総支出額              826,987.74米ドル 

   残額                 11,898.86米ドル 

 

会計報告

 

                                                別紙第6

                                              (様式4-a)

日本NGO支援無償事業資金収支表

・実施団体名 : 特定非営利活動法人 日本地雷処理を支援する会
・事業名(実施国) : ラオス・シェンクワン県における不発弾処理事業(3次)(ラオス人民美主主義共和国)
・事業期間 : 自 2008年3月9日 - 至 2009年3月8日

 

      支援無償資金   自己資金  
【収入の部】            
  総収入     838,886.606   $155,010.87  
支援無償資金収入     $838,833.00
  $154,135.92
 
利息・差益     $53.60
  $874.95  
             
             
【支出の部】            
1 現地事業実施経費            
  現地事業費            
   資機材等調達費   ¥327,510      
  ドル   $54,231.19      
   会議用セミナー等開催     $2,623.60
     
   専門家派遣費          
   専門家旅費・宿泊費   ¥633,920      
  ドル   $7,041.30      
   専門家謝金     $92,286.00
     
  プロジェクト管理費            
   現地スタッフ人件費・雇用費     $401,018.86
  $28,691.79  
   現地事務所借料     $6,711.17
  $9,790.50
 
   機材借料・修理費     $109,035.75
  $19,518.83
 
   通信費     $4,147.08
  $2,174.28
 
   旅費・移動費     $2,516.09
  $762.67
 
   印刷等の経費     $3,799.56
   
   UNDP管理費       $26,764.92  
   人材派遣費   ¥1,810,260    
  ドル   $4,730.07   $3,957.29  
         
 小  計   ¥2,771,690
   
  ドル   $688,140.67
  $91,660.28
 
2 本部事業実施経費        
   本部スタッフ人件費   ¥7,862,837      
  ドル   $26,303.00      
   通信・輸送費     ¥152,086
     
   雑費   ¥253,354
   
  ドル     $4,437.02  
 小  計   ¥8,268,277    
  ドル   $26,303.00   $4,437.02
 
3 外部監査費     $4,450.00
   
 為替差損       $1,241.68
 
 小  計 ドル   $4,450.00   $1,241.68
 
         
総合計(円換算)     ¥11,039,967
   
    (ドル)     $718,893.67
  $97,338.98  
         
◎ 総支出     $826,999.84
  $97,339.98
 
         
 残  高     $11,886.76
  $57,671.89