2025/9/4
8月の活動として、マラカル湾におけるERW捜索及びコロール州レンジャーに対する技術移転教育を継続的に実施しました。ERW捜索において、5月に大量の小銃弾を発見した場所を再捜索したところ、38式小銃弾約300発を発見しました。また、8月は、海底捜索に加えて、マラカル湾内に沈んだ「浦上丸」という船の調査を実施しました。「浦上丸」は民間の貨物船として竣工した直後に日本海軍に徴用され、特設工作艦として活動し、1944年3月のパラオ大空襲で沈没した船です。同船については2018年にJMASが調査し、2,000発以上の小銃弾・砲弾等を発見し処分しています。今回あらためて調査したところ、約2m四方の大きな金属製のコンテナを2個発見するとともに、その内部に多数のERWを発見しました。
8月18日・19日の両日、先月もこの場で紹介しました国際NGOの「NPA」の主催で、「UXO Committee Capacity Development」と銘打ったワークショップが開催されました。不発弾処理に関しパラオ政府に対する技術的アドバイスも行っているNPAが、パラオの不発弾処理態勢の構築と能力向上のための基盤づくりを図るために具体的検討の場として関係者を集めて開催したものです。コロナ禍で滞っていた活動が、遅まきながら再活性化された感があります。JMASも水中にある不発弾処分の専門組織として検討に加わり、技術移転教育の成果が発揮される環境づくりを支援していきます。