パンジャブ州マリー地区郊外水道改善事業(第3次)

2015/10/9

日本NGO連携無償資金協力完了報告書

 

  事  業  名  

パンジャブ州マリー地区郊外水道改善事業(第3期)

  事 業 期 間

2011年6月28日 ~ 2012年6月28日

事業の概要と成果
(1) 上位目標の達成度     

  上位目標は、パンジャブ州マリー地区郊外において、水道水供給システムを修理・建設することにより、良質な水を供給して

 水に起因する疾病を予防するとともに、主として女性を水汲みの重労働から解放することである。

  各項目の達成度は次のとおりである。

 

ア 水道供給システムの修理・建設

  水源タンクの増加など一部修正を行ったことを除き、計画通り、水タンクの建設、修理を行うとともに、これを結ぶパイプライン

 を敷設した。また、、期間内に関連工事、行事並びにアンケート調査も終えることができた。

 

イ 良質な水の供給による疾病予防

  水質検査結果は良好であり、タンク内に貯蔵されている水は極めて安全であることが確認された。水道施設完成後の疾病

 発生は認められないことから、今後も見ずに起因する疾病は予防できると予想される。

 

ウ 女性から水汲みの重労働を軽減

  水道施設完成後、水汲みの距離、時間が大幅に減少した。また、渇水期でもタンク内に水が貯蔵され、順番待ちの時間が

 ほとんどなくなった。

 

(2) 事業内容 

  1個のメインタンクの建設、8個のサブタンクの建設及び1個の修理、3個の水源タンクの設置及び延約14.4kmの施設を

 行った。水源タンクが当初計画の1個から3個に、水パイプが12.2kmから14.4kmへ増加したが、いずれも水道管理組合

 との協議の結果によるものである。

  また、地元住民参加による水道管理組合を組織し、水道施設が破損した場合の修理技術や水質検査等その維持補修に

 必要な技術を移転した。

 

(3) 達成された成果

  タンク近傍374世帯のうち約340世帯が本水道施設を利用しており、対象世帯の約90%が裨益している。

 

ア 水汲み労働の軽減

  飲料水運搬距離では1.1km(1.826kmから0.68km)、運搬時間では50分(1.47時間から0.57時間)減少し、労働負担

 の減少に大きく寄与できた。

 

イ 疾病防止

  事業前発症率9%が事業後0%となり、水に起因する疾病防止に寄与できた。

 

ウ 飲料水の購入

  水購入世帯が18%から3%に減少し、家計に貢献できた。

 

エ 家庭生活への寄与

  水運搬に使用していた時間は、主婦にあっては家事と子供の世話に95%、子供にあっては勉学に89%(自習63%、通学

 26%)を費やしており、住民の家庭生活に寄与している。

 

(4) 持続発展性

ア 水道管理組合への技術移譲

  事業開始当初より、住民が組織する水道管理組合に対し、水道施設完了後の維持管理について強く指導してきた。また、

 システム建設後、同組合に対し、施設修理技術、水質検査、タンク清掃等維持管理に必要な技術を移転するとともに、部品

 及び工具等補修資機材を供与した。

 

イ 水道管理組合の活動

  水道管理組合は、原則各家庭100ルピーの徴収、供給時間の設定及び結婚式など多くの水を使用する家庭への優先

 使用などの規則を設定するとともに、維持管理要員2名を雇用している。

 

ウ 行政機関等との連携

  上級行政組織のマリー郡から今後の管理支援について同意を得ている。

 

  以上のことから、本事業地シハンナ村においては、水道組合が将来にわたって施設の維持管理を確行すると思料して

 いる。