平成24年度「アンゴラ・ベンゴ州における地雷処理・地域復興支援事業」

2015/3/23

平成24年度事業完了報告

平成24年度ベンゴ州における地雷処理・地域復興支援事業
1. 事業期間:2012年6月1日~2013年5月31日

2.事業の概要と成果

 

平成24年度ベンゴ州における地雷処理・地域復興支援事業
事業期間:2012年6月1日~2013年5月31日
2.事業の概要と成果
(1)上位目標の達成度 (ア)アンゴラ共和国・ベンゴ州における地雷被害の局限と地域復興に寄与
住宅建設予定地約34haを除去するとともに子供を主体に危険回
避啓蒙教育を実施し、死傷者ゼロに貢献した。また、除去地周辺道路の新設(約2km)及び整備(約10km)等地域復興に寄与した。
(イ) 機械による地雷処理技術等を移転し、自立処理能力を向上
現地スタッフ12名に対し、各々の職務に応じキャパシティビルデングを実施し、レベルの向上を図った。また年度末の評価をもって2名を交代させるとともに3名の配置替えを予定している。
(2) 事業内容 (ア)地雷処理
CNIDAH及び州政府と緊密に調整し、機械を使用した地雷処理作業を実施し、約40haの安全化を図る。
(イ)地元隊員に対する技術等の移転
現地地雷処理機関(INAD)の隊員12名に対しOJTを通じ
①  地雷除去に関する技術(地雷除去機の操作、整備)教育と同時に、
②  マネージメント(事業運営管理・経費管理・安全管理など)に関するキャパシティビルディングを行い、事業を通じた技術移転により目標とするレベルに達した入れ替えをINADと連携して実施する。
(ウ)マブバス村の地域復興支援
地雷処理活動を行う地域の居住地において、①道路等整備、②給水設備管理、③危険回避啓蒙養育を行うとともに農業心育成及び地域清掃支援等を行い住民に対し地域復興について啓発・啓蒙を図る。
(3)達成された効果 (ア) 裨益者数
本事業実施による裨益者数
直接裨益者(マブバス)   約7,000人
関節裨益者(ベンゴ州) 約240,000人
別紙第1「各実施事業による直接裨益者数」
(イ)地雷処理
約34haのベンゴ州政府計画の住宅建設予定地を除去・安全化した。所期の目標40haを下廻ったのは、除去機の改修のため12月中旬~1月中旬除去活動が不能となったことが要因である。
別紙第2「地雷処理実績等表」
(ウ)技術移転
① INAD隊員のリーダー要員1名、オペレイタ―要員3名、整備要員2名、車両操縦要員3名、救護要員1名、企画スタッフ1名、会計スタッフ1名の合計 12名に対してそれぞれの個人的特性・適性に応じて個人ごとの評価表を作成してOJTにより指導し、7名の者が次のレベルに到達した。
・地雷除去機の操作・整備「監督・指導が概ね実施出来るレベル」8名中5名
・マネージメント(事業運営管理・経費管理等)「自ら地雷除去計画等を立案・運営出来るレベル」4名中2名
別紙第3「技術移転評価表」
③ 除去機を扱う操作及び整備要員7名等に対し機材の修理に必須の溶接技術の関する機会教育を実施して同技術を習得させ、機械処理能力等の向上を図り4名の者が「監督の下、実施出来るレベル」に到達した。
別紙第4「溶接技術個人評価表」
(エ) 地域復興支援
・5000L水タンクによる給水場を管理し、近傍住民約500人に毎日(AM 0600~0830、PM1530~1700)常続的に給水中。
・新除去地へ人員・器機材等の通行及び運搬を可能にするよう地区を横断する道路を新設・拡幅する道路を約2km新設・拡幅するとともにマブバス地区内のコ ミュニティー広場約1haの整地及び老朽電柱の撤去、不法投棄物の埋設処理等を実施した。新設・整備したベース沿いの道路の 2013.5.23(金)~28(水)の6日間道路通行量は次の通りであり、前年度に比し40%増加した。。

・危険回避啓蒙教育支援の実施状況は、次の通りである。
① 月4日の「JMAS通り祭り」に併せて、参加者約100名に対し、展示パネル、教場
内展示の地雷・砲弾及び除去機等をもって実施した。
② 25年3月12日、先生に引率されたマブバス学校の新入1年生(2月)41名に対し、
JMAS/INAD博物館である「地雷館」において展示パネル及び場内展示の地雷・砲弾等をもって実施した。
③ マブバス郡の地区代表者会議に参加(5回)し地雷除去活動等の連絡及び危険回避に対
する協力を要請した。
なお、本事業間の地雷・不発弾による住民の死傷者数は皆無であり、地雷・不発弾等を発見した場合、住民が自発的に弊会に通報するようになってきており本事業間2回の手榴弾発見の通報があった。
・農業心育成のため、マブバス地区の主要2箇所に、子供等と花壇を作成し植物を育てる心を醸成中。
・引き続き毎週土曜日(本事業間45回)に、マブバス地区内のゴミ収集及びゴミ捨て場の穴掘り等清掃支援活動を実施中。(本事業間、ゴミ収集45回実施、穴掘り数は25回)また、危険なガラス片、空き瓶の回収を子供の協力を得て実施し、注意を喚起している。
(4)持続発展性 (ア)処理地の有効活用
地雷処理後の地域は地域住民のために有効活用が図られるべくベンゴ州と調整する。また他のNGOに対して地雷処理後の地域開発、自立、生活改善等の支援を促す考えである。
(イ)処理要員の確保
本事業では12名の隊員に対して技術移転を企画しており、計画中のじ後の事業において養成する隊員と相俟って幣会撤退後も、アンゴラ処理機関による自立発展性が確保される。
(ハ)給水場の管理
本事業地区在住者に管理させており、郡事務所に支援を促す事と相俟って弊会撤退後も維持される。
(ニ)道路維持
本事業では、毎月週末1回を基準に住民参加による砂利・砂等による地域内の道路補修を企画して、弊会撤退後も地域住民により道路状態を維持出来るよう補修要領の習得を図っている。
(ホ)危険回避啓蒙教育
学校計画による生徒に対する教育を支援する他、先生に対する教育(下半期及び上半期の2回)及び各四半期に実施されるマブバス郡の各地区代表者(JMAS代表者も含む)等20数名参加の郡代表者会議において、地雷被害局限策等を教示することにより自立発展性が確保される。