英語教科書に載ったカンボジア地雷処理

2015/3/16

2012年2月15日東大阪市若江中学校の英語教師の方から、

生徒が英語教科書に載っているカンボジアの地雷処理の話を見て、

「実際に地雷処理をしているカンボジアの地雷処理隊員(デマイナー)に手紙を書きたい」と言っているので住所を教えてほしいとの連絡がありました。

それでJMASのカンボジア・プノンペン及びバッタンバン事務所が仲介をして生徒からの手紙を届けまた処理隊員からの返信を学校へお届けしました。そのやりとりの概要を紹介します。

 

『英語教科書に載ったカンボジア地雷処理』
〜東大阪市若江中学校からのお手紙〜
 過日(2012年2月15日)、東大阪市若江中学校の先生から、一本の電話がはいりました。
中2の英語教科書に、地雷処理の話がでていたので、生徒が、『カンボジアの地雷処理をしている人に、英語でお手紙を書きたい』との事でした。そこで、その取り次ぎをJMASカンボジア現地事務所にお願いしました。

 2月中旬、AirMailで生徒さんからの写真とお手紙での質問がプノンペンン事務所の渕上担当に届きました。

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 現地バッタンバン事務所の佐古主任(地雷処理専門家)、今井主任(地雷処理専門家)、ボラさん(カンボジア人の担当職員)、の協力で、現地デマイナーさん達からのお返事、現場の生の声を、お手紙に載せて、3月の学期末前には、生徒さんに届けることができました。

 

 生徒さんたちはプノンペンンからの小包が着くのを、とても楽しみにされていたとの事。 英語の教科書に載ったエピソードでのやりとりが、反響を呼びました。後々、国際理解を深めてくれることを願ってやみません。

参考:英語教科書のページ(クリックしてください)

 

デマイナーとの英文質問とその回答一覧表

☆質問事項の、一例です。   
質   問 . 回答  21歳、女性デマイナー
1.自分の仕事に、プライドをもっていますか? プライドを持っています。
2.地雷がなければ、どんな仕事をしていますか? 畑や農業をします。
3.どうして地雷処理の仕事をしているのですか? 家族を養う為と土地からは地雷をなくしたいこと、そして地雷や爆破物によって皆に事故がないようしたいからです。
4.どのようにして、地雷の仕事に就いたのですか? 試験を受け採用委員会で選ばれました。
5.仕事で一番楽しい事はなんですか? 地雷により皆に事故が無いことです。
6.家族はあなたの仕事に反対ですか? 反対しない。
7.地雷処理で一番難しい事は何ですか? 雨が沢山降ると、車が地雷原まで行けなくった時に 重い器材を担いで遠くまで歩くことです
8.地雷によって亡くなった友達がいますか? います。
9.地雷処理の仕事は怖いですか? 地雷処理の教育を受けてから怖くない。
10.仕事をやめようと思ったことはありますか? ありません。
11.自由時間は何をしていますか?   親の仕事を手伝います。

生徒さんからの英文質問とその回答一覧表(クリックしてください)

質問に対する補足回答.
2.地雷がなければ、どんな仕事をしていますか?
カンボジアは農業国です。このため首都プノンペン周辺には工場がありますが、大半の人は農作業で生計を立てているのが現状です。
3.どうして地雷処理の仕事をしているのですか?
カンボジアの人の収入:地主を除く農家の人の年収400~600$/年、、学校の先生で60$/月、地雷を処理している人は130$/月です。危険な仕事ですから少し給料は高くなっています。
4.どのようにして、地雷の仕事に就いたのですか?
このアンケートに協力していただいた人達は日本のJMASとカンボジアのCMACとの調整で、村の地雷は村人で処理することを基本的方針としましたので、コミューン及び村長から募集の知らせがあり、試験を受けて採用された人たちです。地雷を処理する人達の大半は、今 地雷を処理しているコミューンの人たちです。
7.地雷処理で一番難しい事は何ですか?
地雷原はかって戦場であり、多くの鉄片(大砲の弾の破片、ライフルの弾など)が有ります。地雷探知機は鉄片に地雷と同じように反応します。反応すると、地雷かも知れませんので小さなショベルのようなもので慎重に掘り出します。この時土が硬いと作業が大変になります。鉄片は多い日は2000~3000個/日発見されます。
カンボジアは、主要国道と街の中しか舗装道路は無く、地雷のある田舎は全ての道路が土の道です。季節は雨季と乾季があり、雨季になると諸所に泥濘ができ車は通行不能になります。こんな時乗っていた車が泥濘に填ると全員で車を引きあげたり、上がらない時はそこから重い器材を担いで現場に行きます。
ブッシュとは小さな木と大きな草が密集して生えているジャングルのようなところです。ここを大きな鋏で地上2cmまで刈り、地雷を探知します。本当に大変です。 また土が探知機に反応するとありますが、カンボジアにも砂鉄があり多く含まれていると地雷探知機に大きく反応し、掘っても、掘っても反応し続けることがあり、もし地雷だったらいけないので反応がなくなるまで掘ることがあるからです。
11.自由時間は何をしていますか?  
カンボジアで地雷を処理している所は北海道の田舎と似ています。でも日本のように電気は自由に使えません。だからテレビゲームなどありません。また家族愛が非常に強い国です。