2025/12/3
カンボジアで地雷・不発弾処理活動を行っていると、比較的高い頻度で発見される不発弾があります。それは「60㎜迫撃砲弾」です。なぜ、この不発弾が多いのでしょうか。
カンボジア内戦では、ベトナム戦争の影響と外国勢力の介入により、親米ロン・ノル政権、シハヌーク派、親中ポル・ポト派の三つ巴の戦いとなり、ベトナム戦争終結後にはベトナムの支援を受けたヘン・サムリン政権がポル・ポト政権を駆逐しました。使用された兵器は、米国やソ連、中国製が主でしたがその他にも旧宗主国であったフランスやベトナムが製造したものも含まれていました。
内戦で使用された60㎜迫撃砲はフランスでMle1935として開発され、米国がM2型60㎜迫撃砲として量産、中国がコピー(31式60㎜迫撃砲等)したものです。この内戦では、敵対する勢力が60㎜迫撃砲という同じ兵器を使用しました。実は、ベトナム戦争でも、また、朝鮮戦争でも同じ状況が生じていました。
60㎜迫撃砲は一つ上位の西側の81㎜迫撃砲や東側の82㎜迫撃砲とは異なり、いわば「世界標準」の兵器です。陸上自衛隊でも1980年頃までは米軍から供与を受けたM2型60㎜迫撃砲を保有していました。また、2014年から陸自は新型の60㎜迫撃砲を導入しています。砲・弾薬ともに人力で運搬し火力発揮ができる兵器です。現在のウクライナでも使用されています。
今回は、M2型60㎜迫撃砲とその弾薬、カンボジアで発見された不発弾について紹介します。



2025年11月カンボジア活動状況




